未来を胸に
「ロイvロイ〜 ロ〜〜イ〜〜さんv」
別に低血圧というわけではないのだが、最近の仕事多さに疲れていて体がだるい。
「んぅ〜〜・・・」
「ちこくしちゃうよ〜〜?」
・・・・さっきから聞こえるこの声は誰だ?妙に幼い声だ。
・・・ ?いや違うな。誰だ?
「だめだよ〜?ママがおこるよ?」
そうだな、これ以上寝ていては流石に遅刻してしまうな。
そろそろ起きなくて、は――――?
・・・・て?!
・・・・・・・・・・・ママ?!
「しょうがないなぁ〜。ママにかわってわたしがおはようのキスしてあげるぅ〜〜v」
と言った。少女の声が近づき、頬にちゅっと温かい感触が伝わった。
同時に目覚めて、ガバリと上体を起こした。
「おはよう!パパ♪」
パ・・・・・パパぁ!!!?
目の前には を小さくしたような少女がいた。
「えと・・・・・・お、おはよ」
言葉を返すとにへ〜〜と少女は微笑み、抱きついてきた。
「ああコラ〜〜!ずる〜い!ママより先にもうおはようのキスしちゃったの?!」
「えへへ〜パパ大好きv」
突如、寝室の扉が開きそこからエプロン姿の――――
「 !」
が現れた。
「おはよう御座います。ロイさん」
「お、おはよう」
「ほ〜ら。学校の時間よ?早く支度しなさい」
「は〜い♪」
パタパタと少女が寝室から出て行った。
その背を見送った はロイのベッドに近づき腰を下ろす。
「ホントに元気に育ってv可愛いね」
「・・・あの子は?」
「え?何ロイさん?何言ってるのよ〜私たちの愛娘でしょ?」
「え?あ、ああそうだな」
・・・・いつのまに子供が!?
いやいやそれ以前にいつ私たちは結婚したんだ!?
「ロイさんv」
「ん?」
「あの子はどこにキスしました?」
「え、あ。頬にだが?」
「そう、じゃあ私は―――」
ちゅ。
と。 とロイの唇が触れ合った。
すこし頬を赤らめながら上目使いにもう一度。
「おはようロイv」
と彼女は言った。
これは・・・・夢だろうか。
いや、夢でもいい。なんておいしいんだ。
彼女がこんなにも幸せそうに笑っていて、可愛い子供もいて。
何ヵ月後だろう。何年後だろう。きっとこんな日が必ず来るんだ。
楽しみじゃないか。
「 」
「はい」
「愛しているよ」
「ええ、私もですよロイさんv」
この時の彼女の笑顔もきっと、いつか、すぐに手に入れる。
そう必ず。
すっと の体に腕をまわし、
さっきより永いキスをした。
「ところで・・・あの子の名前は?」
「もう〜ロイてば寝惚けてるの?」
「ははは、そうみたいだ」
「あの子の名前は――――――
「ロイ!!!」
との叫びにパチッと目が覚めた!
目の前には
「ああ、良かった〜。もう〜いきなり倒れるなんて〜吃驚させないでよ!」
今にも泣きそうな顔で私の顔を覗き込んでいる がいた。
「倒れた?」
「そうだよ!いきなりばたーーんって!吃驚して心臓飛び出たんだから!」
「なんで倒れた?」
「過労だってさ!ここんところ仕事に査定にで忙しかったからね。お疲れ様」
「ああ・・・」
少し上体を起こし部屋を見渡した。
私は、医務室のベッドに寝ていたようだ。
さっきのはやはり夢だったか・・・。
「ほんとにほんとに〜〜。よかったぁ・・」
「 」
すっと彼女の頬に手をやる。
?っと言う顔をして私を見る 。
「ありがとう」
そう言うと、彼女が微笑んだ。
そうこの笑顔。夢でみたこの笑顔。
幸せの証拠。
私は君との未来がとても楽しみだよ。
<End>
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またもや頂いてしまいました!
大佐の夢オチ!最高です☆
一体子供の名前は何だったんでしょう?
響さん、どうも有り難うございました。