えっと、この話は高月光夜さんのリクエストです。

リクは、結構前に、世にも奇妙な物語で放送された、過去からの日記・をもとにロイ夢となっています。
いわゆるパロディですかね。
パロディは嫌だという人は読まない方が良いかも知れません。















今日も退屈な一日だった。



〓 未来の彼は・過去の彼女は 〓


イシュバール戦争‥‥私は、その戦場にいた。
そこで何人、いや何百と殺した。
そのおかげというのも難だが、今や
「イシュバールの英雄」なんて呼ばれている。

イシュバールは、それはもう酷かった。
血と炎の海だった。私が出した焔だが‥‥。
けれども、そんな真っ赤な戦場で、
私は白い一冊の日記帳を手にした‥‥



‥‥その日もイシュバール人達と戦い、火を放った。
私はしばらくぼーっと辺りを見渡していた。
そして、真っ赤な戦場の中に、
一冊、白い本が落ちているのを見つけた。
今思えば何故拾ったのだろうと思うが、
その時はとっさに手に取っていた。

ずっとその本を持っていた。
そして戦争が終わった。
私は司令部に帰り、その本を開いた。
どうやら日記のようだ。DIALYと書いてあった。
ぱらぱらとめくって、一番新しいぺージを開いた。

10月1日
今日も退屈な一日だった。
楽しいことなんて無かった。


「これは今日の日付か。」

前のページも見てみた。

9月30日
今日も退屈な一日だった。

9月29日
今日も何もなかった。


他のページも同じようなものだった。

何を思ったのか、私はペンにインクを付け
10月1日のページにこう書いた。

私も同じだ。楽しいことなんか無いな。


すると。


私って誰?人の日記にイタズラしないで下さい。


「は?え、どういう事だ。」
日記から勝手に文字が出て来た。
はじめに書いてあった文字と同じ水色の文字だった。
私は黒で書いたが。
戦争の所為で頭がおかしくなったのだろうか。


とんとんっ

「入るぞ。」
ヒューズか。
「なんだ?入れ。」
私はすぐにその日記をしまった。
ヒューズに見られたら何を言われるか。
おおかた笑いを堪えて「ロ、ロイ、お前日記なんか付けてんのか?」
とでも言うだろう。
「ロイ?何か今隠したか?」
「…何でもない。」
「ふーん。これ、書類。今日中だそうで。」
只今の時刻3時。くそ、なんでもっと早く持ってこないか。
「で、何隠したんだよ?教えろ。」
「しつこいな、燃やされたいのか?」
「イヤ、もう良い。」
諦めたようだ。冷や汗たらして、馬鹿だな。
「じゃ〜な。頑張れよ!」
「ああ。」

ヒューズが出て行ったので日記を取り出した。
不思議な日記だが、これは後回しだ。
5時までにこの書類をなんとかせねば。


その後、驚くべきスピードで仕上げたから肩がこった。

  
家に帰った私は
(今日はデートがあったから、夕食はもうすませた。)
早速日記の続きを書いてみた。


私の名前はロイ・マスタング。歳は23。
セントラルで軍人を務めている。
それと国家錬金術師だ。二つ名は焔。

正直信じられないよ。私は錬金術師、科学者だ。
離れた相手の書いたことが見えるなんて‥‥。



10月2日


わたしの名前はです。
歳は15歳です。
わたしもセントラルに住んでいるんですよ!
でも、ほんと不思議ですね。
離れた人と交換日記が出来るなんて!

それと今日は、本を買いました。
今流行っている「未来を信じて」って本なんですけど、
今日は3巻の発売日で、いち早く買っちゃいましたv



10月3日


ちょっと聞くが、そっちは今西暦何年だ?
その本の3巻が出たのは3年前なんだ。



10月4日


またまた驚きです!
こっちは今2001年です。
スゴイ!過去と未来で話をしているんですね。



それからは、しばらく日記のやりとりをしていた。
毎日仕事が大変だったから私はこう書いた。



10月15日


もう、仕事が大変だよ。毎日毎日書類と向き合って…。
いっそ死んでしまいたいよ。



冗談で書いたつもりだった。
けれどもはこう返してきた。


10月16日


死にないなんて、そう簡単に言わないで下さい。
隠していたつもりはないんですけど、わたし、
セントラルの大きな病院に入院しているんです。
ずっと…ずっと病院にいるんです。



10月17日


そうか、あんな事言って悪かった。
は入院しているのか。頑張るんだぞ。



10月18日


最近、体調が余り良くないんです。なのでちょっと弱気。
ロイさんは骨の痛みを感じた事がありますか?
初めの頃は手術の度に痛くて泣いてましたが、
今はもう、泣かないんです。

それでも、わたしだって普通に学校に行って
友達と話したりしたいって思うと、悔しくて涙が出ます。



10月19日


は偉いなそうやって我慢できて。
きっとの病気だって治るさ。
だから、頑張って、生きて。



しかし、次の日のの言葉に凍り付いた。


10月20日


わたしの命、持って後一年だそうです。
まえに、死ぬなんで簡単に言うな、なんて書いたけど、
わたしもしょっちゅう死にたいって思っちゃうんです。
すみません今日はもう書けません。



10月21日


後一年、なのか。
私は、が後一年で死ぬなんて信じられない。
だから、が生きて、元気になる事を信じる。


私だって自分がもうすぐ死ぬなんて信じられません。
でも今は、奇跡を信じる事も出来ないんです。



10月22日


明日、私はの病院に行く。
木の下の白いベンチに3時。
私にとっては明日。にとっては3年後の明日だ。
大丈夫絶対に会える。奇跡を起こすんだ!



はい。




23日、私は書類を全て(少しは中尉や少尉に任せたが…)仕上げて
会議も早く済ませた。
そして、セントラルの大病院へ向かった。

2時半を過ぎて、白いベンチに着いた。
日記を自分の横に置いた。まだ、は来ていない。


3時、は、来なかった…。
4時まで待った。
でも、奇跡は、起こらなかった。
2004年の世界に

彼女は

いなかった。


10月23日


今日君に会えたよ。
18歳の君はとても綺麗だった。
病気も良くなって、元気だった。
沢山話をして、とても楽しかったから、
気付いたら日が暮れてしまっていたよ。


最後の辺りが涙で滲んだ。


良かった。私、生きているんですね。

そう、生きてる。これから先ずっと。
だから、、信じて欲しい。
2004年の今日ここで私と会える事を。
信じれば必ず会えるんだ。必ず。




ふっと何かを感じた。
日記の上に置いた手にぬくもりを感じた。

隣に、彼女を、を見た気がした。


日記が…消えた。


  * * * * * * * * * * 


私は少佐から大佐へと昇格した。
仕事が前よりも忙しくなった。

それでも、私は時々病院の木の下に訪れた。
まだ、私は奇跡を待っていたのかも知れない。

白い服を着た女性が、笑顔がとても綺麗な女性が、
そこに立っていた。




そのとき


奇跡は起きた。





「信じてたよ。ずっと。」




....END................



あとがき

なんか、ごめんなさい。
せっかくのいい話がこんなになってしまいました。
書いている途中うろ覚えだったため…。

とにかく高月さん、もし良かったらもらってやって下さい。
感想待ってます!

毎度ながら、誤字脱字等ありましたらお知らせ下さい。


04/10/23 23:24  リョウコ