何だろう…?
今日はやけに女子からの視線が気になる。
俺と三村が話していると、女子達はくすくすと笑う。





March 7th





「なあ、三村。今日って何かあんの?」
「ん、どして?」
「なんかさあ、女子おかしくね?今日」
「あーそうか」

少し困ったように笑う信史。
笑う度、彼の左耳のピアスがきらめく。

「さて問題です。七原、今日は何月何日?」
「え、3月7日だろ?」
「ハイ正解です。うん、そういうこと」
「どういうコトだよ。わかんねぇよ」

秋也は一人困惑した表情を浮かべる。

そんなとき後ろから声が掛かる。

「ねぇ、秋也君と三村君こっち向いて?」


「「ん、何?」」
ふり返る二人。



“ぱしゃっ”



そんな間抜けな音とともに、強い光が目に入る。
まぶしさのあまり二人は一瞬顔をしかめる。

そこにはカメラを持った中川典子が居た。

「の、典子サン!?」
「写真なんて撮ってどーするの典子サン」

「それは〜今日の、3月7日の記念にね!」


「典子〜!それあとで焼き増ししてね!」
委員長グループの中の誰かだろう。

「オーケイ!任せて!」
親指を立ててそちらに向ける典子。


「? いったい何なんだよ」

「それは多分


 乙女の夢


ってやつだろうよ」

「何だよそれ〜!」


「つまりまあこういうコトだよ」

信史が秋也の肩を寄せる。

「はーい、女子の皆サン、サービス!」




“ちゅ”




「え…?」

目を見開き固まる秋也。
満面の笑みを浮かべる信史。

「きゃぁぁ!典子!今の撮った?!」
「モチあたぼうよ!」
ガッツポーズをかます女子達。


「な、ななな何すんだよ!!」
「いーじゃん、頬なんだし」
「そういう問題じゃねぇだろ、俺たちは男同士だろ!」
「だから〜、これが“乙女の夢”なんだって」
「はぁ?わけわかんねぇ!」

秋也の耳元に、信史は小さな声で答える。

「ボーイズラブって、分かる?」
「あぁ、分かるけど。って、え、マジでっ…?」

なまじその言葉の意味を知っていた秋也は、少し反応する。

「俺が、三村だから、3で。
お前は七原だから、7。
それで3月7日は女子達にとって嬉しい日な訳」

心なしか赤くなっている秋也の横で、
冷静に解説する信史。

「分かって頂けましたか?」

「…分かったよ。ちぇ、知らなきゃ良かった」




女子の趣味までもきちんと理解する男、三村信史。

純情なため、それに着いていけない、七原秋也。



今日、3月7日は、

その二人の愛が深まる特別な日である。

              by 腐女子一同






...END..........







あとがき


「今日は何月何日?」
3月12日です(殴
すみません、すみません。
遅れてごめんなさい。

あぁぁ、三村がキスした〜。
ウチのヒロインにもまだした事無いのに!(そこが問題か
何処までも進んでる男、それが三村信史。

何が、愛が深まるだよって感じですが、
強制終了させるにはこういう風に切るしか…(汗。

てゆか、乙女の夢、は、笛の藤代君が言ってた言葉です。
知ってる人は軽く鼻で笑って下さいませ。


05/3/12 22:01  リョウコ