えっと、まず始めに言っちゃうと、ヒロイン死にます。はい。
今回はBRプログラムに参加しちゃっている設定なので…。
原作とはちょっと違いますのでご了承下さい。
で、血が出ます。
グロイの苦手な方は、無理に読まなくても結構です。
あ、読んじゃ駄目って訳じゃないですよ。

大丈夫そうな方はどうぞ。



















このゲームで生き残れるのはただ一人。
だったら、あたしは…。




What do you do it for?




目が覚めたときには見知らぬ教室にいた。
クラスメイトは皆おろおろとしていた。
現にあたしだってそうだったのだが…。

教室を見回して、まさか・と思った。
皆の首には鈍い色を放つ、銀色の物体、首輪があった。
毎年、全国の中学3年生の中から50学級が選ばれるという、
戦闘実験第六十八番プログラム。

“バトル・ロワイアル”

そう、選ばれたのだ、あたし達は。
このデス・ゲームに。

その後何やら色々と説明を受けた(ほとんど頭に入っていないが)。
どうやら此処は島らしい。
そしてルールは簡単。
殺して、生き残れば勝ち。
負け=死だ。

そのうちいつの間にか出発時間になっていて。
一人一人デイパックを受け取って出発する。
あたしの番だ…。

名前を呼ばれ返事をする。
「…はい」

信史の方をちらりと見た。
こんな時でも余裕な表情してた。

そして急いで教室を出て行った。

走った。
こんなに走った事など今まであっただろうか・と言うほどに。
怖かった。
自分はどうしてこんな所に居るんだろう・と思うほどに。
とにかく、
信史に会いたかった。

しばらくして茂みに隠れた。
丁度隠れやすそうだった、というのもあるが、何より疲れたのだ。
走った事と、この、言いようのない不安と緊張感に。

渡されたデイパックの中身を確認した。
暗くて見づらかったが。
地図、コンパス、水、食料、そして武器。
拳銃だった。
名前なんて知らない。
でも、これは“当たり”なんだろう。
弾は6発装填できるようだった。
6発…。

「でも、これじゃ殺せないだろうな」

ひどく落ち着いた声たっだ。
自分の声ではないような。
そういえば、このゲームが始まってから、初めて声を出したかも。
そして、自分の言った内容にも少し驚いた。
『殺せない』そんな事を考えたなんて。
しかし、確かにこれでは襲われたとき、(例えばマシンガンとか)
応戦する事は難しいだろう。
自分の腕では。

そんな事をしばらく考えているときだった。

“ぱらららららっ”

遠くから、そんな音が聞こえた。
誰か、殺されたのだろうか…?



一体誰が?




誰に?











銃を握りしめた。
体中がガタガタと震えていた。
一体誰が殺されたんだ…?
自分も、殺されるのだろうか?

辺りはしん・と静まりかえっていた。
しかし、少し離れた所から、とても小さく、がさがさという音がした。
こんなに自分は耳が良かったのだろうか。
人ってものはこういう時に力を発揮するものなのか。
がさがさという音はだんだん近づいてくる。
銃を胸の前で構えた。

心臓の鼓動がとても速く打っている。
いつものは何処行った。
強気で、怖いもの無しで、いつも信史を蹴り飛ばしているような自分は。
『何でこんなにビビってるんだよ…!』

「そこに誰か居るのか?」
「っ……!」
後ずさる。
ばれたのか。
「俺だ、三村信史だ」
「し、信史…?!」
、か?ちょっとそこで待ってろ!」

草や枝をかき分け信史が現れた。
「信史!…怖かっ…た」
涙が出て来た。
本当にどうしたんだ自分。
「探してたんだ、ずっと。会えて良かった」

そうか、コイツなんだ。
コイツが居なかったから、あんなにも心細かったのだ。

「それ、お前の武器?」
信史はあたしの銃を見て言った。
あたしの手は、それを構えたままだったから、急いでおろした。
「そ、そうなんだ。これがあたしの武器。信史は?」
「俺も銃だ…。なぁ」
「ん?」

少し、ほんの少し、間が空いて信史は言った。
「七原を捜さないか?」

「え…?」
「あいつに会えば、この島から逃げられるかもしれない」

逃げる…?

そんなの無理だ。
無理に決まってる。
絶対。

「だから、行こう。一緒に。」
「……だ」
「え?」
「嫌だ」
「なんで」

「あたしは行かない!」
ばっ・と立ち上がって言った。

「おい、あんまり大声出すな。危な」
「だいたい七原は信用できるの?!」
半ば遮るように言った。


もうこのときには、既にあたしはおかしくなっていたのかもしれない。







立ったままのあたしを座らせながら信史は言う。
「信用できるに決まってんだろ?何言ってんだよ」
「本当に?だってこのゲームは『殺らなきゃ殺られる』んでしょ?」
「七原が、そうだとは限らない…」
信史も少し動揺したようだった。

「やっぱりあたし、行かない」
あたしはそっと、横に置いておいた銃を握った。
「この、ふざけたゲームで生き残れるのはただ一人、でしょ?」
「そうだけど、でも逃げればっ」

「だったらさ、あたしは」

と言って、銃を持ち上げる。

「な、何する気だ?」
「ごめんね、信史。一緒に行けなくて」

「おい!まさか、やめろっ!」
必死に手を伸ばし、あたしから拳銃を取り上げようとする。

「あたしは信史に生き残って欲しい。

だから、死ぬね?」

笑って引き金を引いた。


“パンッ”と乾いた音がした。


弾は、米神から入り頭蓋骨を突き抜けた。
辺りに血が飛び散った。
そして、どさり・とは倒れる。
信史はその一連の動作を、まるでスローモーションで見ているように感じた。

…?なぁ、っ!」

を、否、の死体を、信史はおそるおそる抱き寄せる。
その頭部からは、真っ赤な鮮血がどくどくと流れ出ている。

「おまえ…バカじゃないか?何の為に?」
震える声で問うても返事はない。
もう、その身体に命はないのだから。
今や信史は、の血で染まっている。

“がさっ”

「…!!」
後ろからだ。
さっとふり返る。

「シンジ?」
「豊っ?!」
「そ…だけど。っ!どうしたの!?」
「あ、こいつ…」
一瞬言葉が出なくて、の死体と豊の顔を交互に見る。

すると豊は、少しおびえた感じに聞いた。
「シンジが、やったワケ無いよね…?」
「当たり前だろ!!こいつ…こいつ自分で撃ったんだよ!」
少しばかり辺りにその声が響く。
つい大声を出してしまい、しまった・とばつの悪そうな顔をする信史。

「ごめんっ」
「いや、良いんだ。おまえが謝るコトない」
「うん…」

「豊」
「え?何?」
「一緒に来い。この島から出てやる」

信史は決意した。

“必ず生き残る”と。

信史はをもう一度抱きしめ、そっと地面に寝かせた。

顔に付いた血を拭うと、豊とともにその場を後にした。




...END................




A・TO・GA・KI(何

またやっちまいました。
ヒロイン殺し。はぁ。
原作通りじゃなくてすみません。
いや、ヒロインが出てくる事自体が原作通りじゃないですね…。
一応補足説明させてもらうと、始めの方のマシンガンは、
桐ファミ(ヅキ除く)と金井さんが殺された場面です。
あの場面は大好きです!桐沼なんで!
おっと話がずれました。
兎に角、そういう事なんです。

それと、今回は初の英語タイトルでした!
別にどうってコト無いんですけどね。

此処までおつきあい下さったさん有り難うございました!
ではっ(逃

05/3/5 16:19  リョウコ