部屋の中はクリスマスの飾りでいっぱいでした。

テーブルの上にもご馳走が並んでいました。

なのに、そこには1人しか座って居ませんでした。



:::聖夜:::




「ジングルベル,ジングルベル…

はぁぁ。
何で信史の奴帰ってこないんだよ。」

そういったのは、
三村信史の幼馴染み。恋人でもあります。

「せっかく料理作ったのにさぁ。信史が作れって言うから、
クリスマスに合わないけど焼きうどんも作ったのに。」

焼きうどんは彼の好物。

今日、信史は
『バスケ部でクリスマス会があるんだよ。
早めに帰ってくるから、ご馳走用意しとけよ!』
って言うと、笑って行ってしまいました。

「何でよ。何でバスケ部の方に行くワケ?
クリスマスイブだよ?恋人と過ごそうよ。
あぁ、何か乙女な事言ってるよ…。」

時刻は7:30。

「7時には帰って来るって言ったじゃん。
信史の馬鹿野郎。」

カチカチカチ‥‥‥と、時計の音が響きます。
も寂しくなってきました。

「もう、先に食べちゃうよ…?」

涙が出そうになったときでした。


“ピンポーン”


「あ、信史っ!?」

は急いでドアに駆けていきます。

“がちゃっ”

「悪い、遅く、なって。ごめん。」

「何がごめんだ!何してたんだよ!」

「だから、ごめんって。」

そこには、相当走ってきたと思われる
の恋人が立っていました。

「うわっ信史、手、冷たいよ!早く中入れって。」

「あー、うん、寒かった。」



そのあと、2人でご馳走を食べました。

「ねぇ、何で遅くなったのさ?
ずっと待ってたんだよ。」

「うん、ごめん。悪かった。
でも、遅くなったのはな…」
と言って、信史は鞄から何やら小さな物を取り出しました。

「はい、これ。」

「え、何?」

「クリスマスプレゼントだよ、ベイビ☆」

「これ…イヤリング…?」

信史からのプレゼントは、小さな綺麗なイヤリング。

「だって、お前、耳に穴開けんの嫌だって言ってたじゃん。
だからピアスはやめたの。ちなみにそれ俺のとお揃いな。」

「…これ買ってたから、遅くなったの?」

「そ。そういう事です。
喜んで頂けましたか、サン?」

「うん…嬉しい…。
ありがと信史!大好き!」

「ほら、それ貸して。付けてやるよ。」




は、そのイヤリングを大切な、
宝物にしました。




「明日はそれ付けてデート行こうな!
一日中、俺独り占めだよ?」




...END................






あとがきん


クリスマスイブに間に合え、と
がんばって書きました。

三村の出番少ないですねこれ。
でも、ベイビ☆って言わせたかったのですよ。
小説では、vとか☆とか使いたくなかったんですが、
こいつの場合はもうしょうがないって事で許して下さい。

フリーですので、宜しければ貰ってやって下さいませ。


04/12/23  23:42 リョウコ