もし世界が明日で終わるならどうする?
なんて、下らないことを君が聞くから。
世界が明日で終わるなら
私が仕事に追われているとき、気を利かせてコーヒーを持ってきた。
一旦仕事を辞めて、一服する私。
そんなとき、が私にこう聞いたのだった。
「大佐?」
「なんだね?」
「大佐は、もし、もし世界が明日で終わるなら、どうしますか?」
とても真剣な表情をして聞くがそこにいて。
「くくっ」
君には悪いが笑わせて貰うよ。
「わ、笑わないで答えて下さい!」
「くくく…。いや、すまない。
しかし、私は科学者だぞ?明日で世界が終わるだなんて言われてもだな」
「良いんです!とりあえず考えてみて下さい」
とりあえずと言われても。
なんと答えて良いのか、少し考える。
「うーん、私なら、そうだなぁ。
世界が明日で終わるなら…、どうやったらそれを防げるのかを研究するな」
「へ?」
「なぜ、そんなに驚く?」
「いや、大佐だったら、デートするとかそんな事なのかと思ってたので」
真顔でそう言われたら、流石の私だって傷つくぞ?
「ま、まさか、さっきも言ったが私は科学者なんだ。
みすみす世界が終わるのを見ている訳無いだろ」
「そうですか…」
あまり納得していはようには思えない表情で彼女はうなずく。
「じゃあ、そう質問したはどうなんだ?明日世界が終わるなら」
「え、私は…」
自分に質問が返されるとは思っていなかったようで、彼女は考える様子を見せる。
「私は?」
「大佐と、一緒にいたいです」
満々の笑みでそう返された。
私はその笑みに少し魅せられた。
そして驚いた。
そんなことをが言うとは思ってもみなかったから。
「だ、だめですか?やっぱりそれでも大佐は研究の方を優先しますか…?」
そんなこと言われても、困る。
だって答えは一つしかないのだから。
「え…あぁ、研究するよ」
「そ…ですか」
少しうなだれる。
「だって、世界が終わってしまったら君と一緒にいられなくなるだろう?だから私は研究するのさ」
私はと一緒にいるために、世界を終わらせないようにするんだ。
「大佐!」
の顔に笑みが。
「それに、世界は終わったりしないんだ。君と私はいつまでも一緒さ」
もし世界が明日で終わるならどうする?
なんて、下らないことを君が聞くから。
私は答えたんだ。
君と一緒にいたい、とね。
.............................END...............
05/4/16