第2話 挨拶。




「本日付でマスタング大佐の下に付く事になりました准尉です。」

とホークアイは司令部内を挨拶で回っている。

「ああ、これからよろしく頼むよ。大佐はああ見えて仕事が出来るんだ、しっかり補佐してくれたまえ。」
「は、はい!」
「准尉、そんなに硬くならなくても良いわ。」


しばらくそうして回っていると、軍人と言えど、ナンパなどしてくる者もいたのだった。若い女性など司令部には珍しいから。
それに、は美人だ…というより、可愛らしい容姿をしている。士官学校時代にも人気があった。

「どう?今度僕と食事に、で…も。」
そんなとき、何故かとホークアイの後ろから妙な威圧感が度々感じられ、彼らは退散してしまうのだった。
「し、失礼しますっ!」

「あれ…?どうしたんでしょうね?」
そんな疑問を投げかけたに、ホークアイはため息混じりに答えた。

「それはね、准尉。こういう事なのよ。
マスタング大佐、先程から何故私たちの後ろにいるのですか?ということは仕事は終わったんですね?」

“ぎくり”

「い、いや、まだあるんだ中尉…。けれど、え〜とだな、がちゃんと挨拶できるか心配でだな…。」
「あ、大佐、私ちゃんと挨拶なら出来ますよ。そんなに子供じゃないです。」
既出だが、は場の空気が些か読めない女だった。

「はあ、では、何故今、発火布を付けていらっしゃるんでしょうか?」
「そ、それは…」

つまり、だ。
にまとわりつこうとする男共を、片っ端から燃やしてしまおう。と。
彼女に手を出すことイコール大佐の鉄槌が待つ。と。

「仕事にお戻り下さい。今日中に終わらせなければならない書類があったはずです。」

「ああ…それもそうだな…。分かった。」
そう言ってロイはトボトボと執務室へ向かった。

 * * *

「大佐ぁ仕事残しての後ついてって大丈夫だったんスか?」

戻って一番、ハボックはズバリ核心を問うた。。

「中尉に追い返された。」
「「「ご愁傷様です。」」」

フュリー、ブレダ、ファルマンは待ってましたと言うかのように口を揃えた。

『こういう感じが無能って感じなんだよな。』



「ところでハボック、お前そのって呼び方をやめろ。」
ロイはハボックにビシッと指差して言った。ちなみに片腕は腰に当てるというポーズである。彼なりの挑発的なポーズだった。

「は?何でスか。大佐だって呼んでいるじゃないっスか。それにまあは俺の後輩なワケですし。なんか変っスかね?大佐が名前で呼ぶ方が、それこそ変じゃないスか。」
「くっ、もういい!貴様今度その呼び方をしてみろ、給料減らすからな!」
ハボックの言い分はもっともなわけで、言い返すことの出来ない男はちょっと声が震えていた。

「そんな、職権乱用っスよぉぉォ!」

丁度そのときとホークアイは執務室に戻ってきた。

「みなさん、只今戻りました。ってハボックせんぱ、じゃなくて少尉、叫んだりしてどうしたんですか?」

「はは、別にどうって訳じゃないんだよ。なあハボック?」

『ほら、あんた今、って言ったじゃねぇか。俺だって呼んでやる。減給なんてさせるもんか。』
ハボックは心の中でそう毒づいた。

「大佐がな、オレがお前の事をって呼んだら給料減らすって言うんだぜ。」

「えぇっそれは酷いですよ大佐!なんでですか?」
「大佐、それは職権乱用というのでは?」

「じょ、冗談だ。なあハボック?」
「ええ。驚かせてごめんな。。」



 * * *



時刻は5時を少しすぎた所。
「さ、さてと、中尉。私ももう仕事を終わらせた。そろそろ歓迎会に行こうじゃないか。」
「それもそうですね。じゃあみんな帰り支度をしてしまって。」
「おれらもう準備出来てるっス。大佐早くして下さいよー。」
「黙れハボック。」

「私、楽しみですホークアイ中尉!」
「そうね。」




fin...




あとがき。

第2話どうでしたか?
何か話が突飛すぎておかしなところが沢山ありますが、
そこんとこは見逃して下さい;;
1話で次は歓迎会って書きましたが、
途中を入れてしまいました。あはは…。

何はともあれ、誤字脱字ありましたらご報告下さい。

04/10/20 初出
07/01/02 修正