今日は、バレンタインデーなのです!
司令部の皆さんに渡すために
今日はちょっと早めに出勤です。
ハッピーバレンタイン 〜大佐編〜
は、とてとてっ・と、
紙袋を抱えながら司令部の廊下を歩く。
そんな彼女を横で見守りながら、
チョコをもらえるのを待っている男性軍人は少なくない。
はまだ此処に来たばかりだが、
その容姿のために人気も上がってきている。
そこで、このバレンタインというイベントを利用して
仲良くなろうという考えなのである。
がらがらっ
「おはようございます!」
は執務室のドアを開けながら挨拶をした。
「おはよう、今日は早いわね」
と、ホークアイ。
「おっす、!」
と、ハボック。
他にも、おはようございます・という
挨拶が返される。
「あれ、大佐は?」
本来そこにいるはずのロイの姿が見あたらないため、
は疑問に思う。
「ほら、今日はバレンタインデーでしょう?
だからきっと、下で呼び止められたりしているのよ」
淡々とホークアイが答えた。
「そうなんですか。
あ、そうだ今日は皆さんにチョコを持ってきたんです!」
思い出したようにが言うと、
周りから歓声があがった。
「だから今日は早く来たんですよ」
「あら、そうだったの。
私からも後でみんなにあげるわね」
と、2度目の歓声が上がる。
は紙袋を抱え、各々の机まで行き手渡していく。
「義理でも嬉しいです」とか
「美味しく頂きます」とか、色々な言葉が返ってくる。
「ハボック少尉、ハッピーバレンタインデー!
味は、ちょっと自信ないですが…」
「え、手作り?!こんなに沢山作ったのかよ!」
「はい!ちょっと大変でしたけどね」
一通り配り終えた所で、はホークアイにも渡す。
「はい、中尉!どうぞ!」
それは、男性に渡した物とは少し違う
可愛らしいラッピングがしてあった。
「あら、ありがとう。可愛いわね」
「女の子同士ですもの〜」
「准尉」
「はい、なんですか?フュリー曹長」
「あの、大佐には、渡されるんですか?」
「え」
フュリーのこの発言に、周りは一瞬しん・となった。
『まさか、は大佐の事が好きなのか』と。
その沈黙を破ったのはハボック。
「ま、まさかあげないだろ?
大佐は他に沢山もらってるだろうし。な」
「えっと、一応あげようとは思ってるんですが…」
「「「はぁぁぁ」」」
一同ため息。
「え、だめなんですか?!」
「いいえ、駄目じゃないわ。
ただみんな大佐が沢山もらっているから羨ましいのよ」
ねぇ。とホークアイが皆に言う。
「そ、そうっス」
違うとも言えないのであった。
「でも、大佐には遅刻した罰として
仕事が終わるまでは渡さずにいましょうね」
「はい!分かりました!」
* * *
しばらくしてロイが出勤してくる。
「おはよう、私にチョ」
「おはようございます大佐」
ロイが言い終わる前にが言った。
「今日は、遅かったですね、どうしたんですか?」
はまるで、『今日がバレンタインだなんて知りません』
とでも言うように質問した。
「いや、ちょっと色々あってな」
「そうなんですか。じゃあ、早く仕事して下さいね」
と言って、自分も仕事に取りかかってしまった。
残されたロイと言えば、
何故チョコを貰えないのか不思議に思うばかりだった。
『くれると思ってたのに…』
夕方になり、仕事を何とか片付け終わったロイの所に
がやってくる。
「お疲れ様です」
「あ〜、疲れた。
何でバレンタインデーに仕事をせねばならんのだろうな」
「はい大佐。これどうぞ」
「え?」
そう差し出されたのは、
ハボックやホークアイのとはまた違ったラッピングがしてあった。
「よく仕事をされたのでご褒美です。なんてね」
「あ、ありがとう…」
突然渡されたのでロイは少し驚いた。
「ちょっと高かったですが、大佐のために買ったんですよ?」
「そうか、今度お返しをさせてもらうよ」
しかし、少し疑問が残った。
『そんなに高いのなら、他の奴(例えばハボックとか)には
あげてないのでは…?』と。
「他の奴らにもあげたのか?」
「はい。でも流石にお金がないので、
向こうは自分で作っちゃいましたけどね」
「手作り…!? 私的にそっちも欲しいのだが…」
「えー、一人一個です!
しかも今日はほかの女性からも沢山もらったんじゃないんですか?」
「そ、それはそうなんだが」
ロイとしては、手作りも捨てがたい。
ロイは意外にわがままである。
「でも、食べたい…」
「じゃあ、今度大佐にお弁当か何か作ってあげますよ!」
「ほんとか!ありがとう、楽しみにしてる」
「味は保証できませんよ…」
「いや、絶対美味しいさ」
そう、ロイに満面の笑みで返されたので
は少し赤面する。
「では、今度作ってきますね」
思わぬ所で、の手作り弁当をゲットしたロイであった。
そして、手作りチョコを食べたいがために
ロイがハボックから奪おうとするのは、またこの少し後…。
....END................
あとがき。。
あれ?あれ??
最後チョコは何処行った?
何で弁当なんじゃぁぁぁ!!(知るか
なんだか、ヒロインは大佐が好きなんだかそうじゃないんだか
よく分からない作品になってしまいました。
ごめんなさい。
補足で言うと、大佐に高いチョコを買ったのは、
“大佐”だから、安い物じゃいけないのかと
ヒロインが思ったからです。多分(ぉぃ
遅くなりましたが、フリーなので、
どうぞお持ち帰り下さいませ。
05/2/14 21:59 リョウコ