野球狂の詩。
いつもの面々がそろっている。
ただしバンビとモー子はテーブル席でラブラブモード突入中。



=今日から始まる恋人ライフ=



「なあ、。お前今フリーだよな」
カウンターに座っていたぶっさんが突然そう言った。

「まあフリーって言えばそうかな」
同じくカウンターで、特に考える様子もなくが答える。

「となると、今フリーなのって、俺とぶっさんとの3人だけ?」
会話に割り込んでくるアニ。

「え、うっちーは?」
「あぁ?うっちーにはミー子がいんだろ」
「へぇ」


「でもさぁ、結構可愛いのになんでフリー?」
誰もが思うであろう質問をぶっさんがした。

「あ、それ俺も思った!なんで?」

「今まで特に付き合いたいとか思った事無かったし」


「「じゃあ、俺と付き合わねぇ?」」
二人の声が見事にハモる。

「えー、冗談言わないでよー」


「冗談じゃねぇよ!」

「つーかぶっさん!付き合うの俺だから!」

「ふっ、お前にだけは負ける気がしねぇ」


「ねぇ、マスター?あの二人って馬鹿だよね」
喧嘩が始まりそうな二人をよそに、がマスターに話しかける。

「そうだろ。てか、俺と付き合っても良いんだぜ?」

「イヤ…。後ろ、セツコさん」
と、カウンターの奥を指差す。

「え、いや、セツコ先輩、冗談、冗談」


「なあ、!お前どっちと付き合うんだよ!」
アニがを引っ張って会話に戻す。

「あたし、付き合うなんて言ってないんだけど」

「付き合えよ!ここまで来たらそういう流れだろ!」
ぶっさんはほぼキレ気味。いや、既にキレているのか。

「じゃ、誰が良いのか言ってみろよ」
と、アニ。



「じゃあまずバンビは?」
テーブル席の方を指差してぶっさんが聞いた。

「遠慮します。モー子がいるし」



「うっちーは?」
今度はアニが聞いた。
その横に、何か期待したような表情のうっちーが見えた。

「ううん。駄目、かな」
うつむくうっちー。



「俺は?」
と、マスター。

「だからイヤだって言ったじゃん。…セツコさん」
「ぎゃぁ、ごめんなさいセツコ先輩」



「じゃあやっぱり俺だろ」
自信たっぷりの表情でぶっさんが言った。

「駄目、全然。付き合う気ナッシング」
特に振り向きもせずには答えた。


残るは、アニ。


「俺は?」


「……」

は答えない。


「付き合う?」


「セフレ?」

「ばっ、違うって!」

「なんてね。うん、良いよ。今日からあたしら恋人」
と言って、アニと腕を絡ませる。



勝者、アニ。



「なんでだよ!おい、!」
「なんでもだよ。あたしアニ好きだもん」
「俺は!?」
「えー」
「なんだよ!」


、行こ?」
と言ってアニは椅子から立ち上がる。

「あ、待ってよアニ!ぶっさん、じゃあね」
はアニを追いかけ、そしてぶっさんに手を振った。

「あ、マスター、お金置いておくね。ごちそうさまっ」

店を出て行く二人。



「ぶっさん…」
一部始終を見ていたバンビが気の毒そうな声をかける。

「バンビぃ、俺負けた。アニに」
「うん、見てた」

「モー子はぁ、バンビが大好きだよー」
「俺もモー子が好き」
抱き合う二人。


「…若いって良いよな」
それを遠い目で見つめるぶっさん。



赤い橋を歩くアニと

「ねぇ、アニ、付き合うって言っても、何するの?」
アニの腕を引っ張りながらが聞いた。

「え、じゃあ今から俺の部屋行く?それともホテルが良い?」

意味が理解出来たのか、はアニの腕を離し
「…短い間でしたが有り難うございました。さようなら」
と言って、クルリと向きを変えた。

「え、え、嘘!嘘だって!え、ごめん!」
慌ててアニはの手を掴む。

はふり返る。
きっと怒っていると思っていたアニだったが、そこには笑っているが居た。

「なーんて、いきなり別れる訳無いよー」

「よ、よかった…」

「で、何すれば良いのかな?恋人ってのは」


「とりあえず、キスはオーケイ?」


「…うん、オーケイ」






と言う訳で今日から俺たち二人は付き合う事になりました。






end







あとがき。


遂にやってしまった。
木更津キャッツアイ、アニ。
なんか、書きやすいかも知れないこの人。

ぶっさんは、なんかお気の毒(笑
ぶっさんファンの方、ごめんなさい。

書き終わって気付きましたが、うっちー出番少ないですね。
あれ、一回も喋ってない?うわー。

アニってなんかホントに、
付き合うってなったら一日に何回もしちゃいそうだと思いませんか?
はい、思いませんね。スミマセン。
もう何も言いません。強制終了。

05/4/24 18:47  リョウコ