その日、土方と沖田は見回りで、
かぶき町を歩いていた。

最近珍しいほどに平和だったので、
土方達ものろのろと歩いていたのだが。

そこを、見かけない二人の美人が歩いていた。




〜恋は盲目〜




土方がその二人に見とれている横で沖田が、
ある事に気付く。

『あ、アレは確か万事屋の所の…』
それは銀時と桂が女装した、
パー子とヅラ子だったのだが…

土方は気付かないのか、総悟に
「あれって何処の人だろうな」
と、聞いてきた。

『何で、女装なんか…?趣味悪いですぜィ』
沖田は一人で悶々と考えて、しばらく黙っていた。

「おい、総悟?」
「え、あ、何ですかィ?」
「いや、あの二人、知ってるか?って」
「あぁ、ありゃぁ…いや…知らないデス」
「そうかよ」

沖田が嘘をついたのも気付かない土方。
そのまま、何事もなかったように屯所に戻った。


  * * *


しばらく経ったある日の事。
土方は真選組屯所の庭を眺めぼーっとしていた。
「はぁぁ。」

そこへ沖田がやってくる。
「どうしたんですかィ?」
「いやぁ、この前見かけた美人の事なんだけどよ〜」
「へぇ」
「あの銀髪の方の事が気になって」

にやり。沖田は口の端を上げる。

「土方さん、それは恋ですぜィ」
「あぁ、そうかもしんねぇ。あの純粋そうな…」
「…馬鹿かコイツ…。」
「何か言ったか?」
「いやァ、何も」

「あの女は、かぶき町に住んでいるのか?」
「知りませんて、そんな事」
こんなにしつこい土方に、沖田も嫌気がさしてくる。

「あぁ〜!もう一度あってみてぇ」
「じゃあ会いに行けばいいじゃないですかィ」
「…良し、そうだな。じゃあかぶき町行くぞ総悟!」

何故、そんな事のために自分がかぶき町に行かなければいけないのか、
いい加減頭に来た沖田は、土方に真実を言ってやった。

「そんなにあの万事屋の侍に会いたいんですかィ?」

ぴきっ…。

「え?」
「だからあの銀髪の侍」

ぴきぴきっ…。

「な、うそ…」
「あいつ、女装してたんですぜィ」

がらがらがら…。

「そ、そそ、そん、そんな」
「いや〜、土方さんが男を好きになるなんて、
思っても見なかったですぜィ」

「じゃあ、まさか、俺は…」

―――恋ですぜィ
―――そうかもしんねぇ

「あぁぁぁァァァ!!嘘だぁぁ!」
「ホントだィ」



  * * *



「ぶえっくしょぃ!」

「どうした?銀時」
「大丈夫?パー子」

かぶき町、かまっ娘倶楽部にて。

「風邪もひいてねぇのに…」
「アラ、もしかしてパー子噂されてるのかもよ?」
「おいアゴ美そりゃ、女にか?男にか?女だったら大歓迎だ」
「アゴ美じゃないわ!あずみよ!」
「男かもしれんぞ」

「ヅラよぉ、お前、銀さんそんなにモテたかないよ」
桂の言う“男”が土方だとは、銀時には知るよしもない。




* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *




あとがき...


何(知るか

おかしい、おかしいよコレェェェ!
もっとなんか、土銀にするつもりだったのに!
全然二人が絡んでないじゃん!
じゃあ何?これは土パー?
こんなのBLじゃないっ(泣

これが私のBL小説(自称)第1弾ですた。

…ということで、
「突発、土方さんとパー子をくっつけよう企画」(何それ)を
終わります(終わってろ

05/1/6 18:27  リョウコ