〜白い息〜





「ねえ、銀時。」

沈黙して並んで歩いている銀時に、が呼びかける。

「あ〜?何だよ。」
「寒くない?」
「寒いねぇ。冬だからねぇ。」

会話終了…。


「ねぇ、銀時。」

しばらく経ってから、またが言う。

「何ー?」
「寒いね。ほら、息白い。」

そう言って、が息を出す。

はぁぁぁー。

白い霧のようになる。

「ほんとだ。」

「白い息見てるとさ、寒いんだなぁって思うよね。」

「ふーん。」


再び沈黙が訪れる。


「何かさぁ、もっと会話を弾ませようよ。」
「あぁ…。」

曖昧な返事が返ってくる。

「ねぇってば、銀時。」

「うっさいなぁ。最近糖分取って無くて、調子悪いんだよ。」

「その方がアンタの身体のためになると思うがね。」

がぼそりと言う。



「ほんと、寒いなァ。銀時、寒くないの?」

「寒いよー?」

「ねぇ、その上着貸して。」

「は?俺がもっと寒くなるだろ?
それにお前の服の方が暖かそうじゃん。」

「ケチがー!」


依然2人の回りには白い空気が取り巻いている。

「そんなに寒い?」
銀時が尋ねる。

「寒いって言ってるでしょう。」


ふと、手に温もりを感じる。
「え……あ。」

銀時がの手を握っている。

「これで我慢して。」
「……ありがと。」


手を繋いだまま、万事屋へと帰る。


白い息も、ほんわかと、
銀時とを暖かく包んでいるように見えた。


「あ、銀ちゃんとが帰ってきたアルよー!」
「お帰りなさい2人とも。」

神楽と新八が出迎える。

「あっ!手ぇ繋いでるアル。」
「えへへ。良いでしょう神楽ちゃん。
銀時の手暖かいんだよ〜。」

「おい、あんま言うなって。恥ずかしくなるっつーの。」
「良いじゃん。」

「さぁ、夕飯出来てますよ!早くみんなで食べましょう。」
「うん!」



教訓。

寒い日は、銀時と一緒に歩けば全然寒くない。



END



* * * * * * * * * * * * *



あとがき。

制作時間約30分(ぉぃ

銀サンは、自分から進んで喋ったりしない方だと思う。
何か話しかけると相づちを打つ感じ。
でも、
ちゃんと相手の事を分かっていて、凄く優しい。
決して冷たいワケじゃない。
そんなイメージがあります。

銀サンの夢小説を考えてる時って、
・甘めでほのぼのになる。
・銀サンがセクハラ野郎(ぇ)と化す。
のどっちかしか思いつかないです。
今回の話は前者。

なんか、新八が主婦みたいになった…。

04/11/21 22:11 リョウコ